揺れるように

ソロ活動の記録とひとりごと

そんなふうに恋に落ちられるのは幸せかもしれない

 

 

 

 

 

とある人の恋のいきさつをインターネットで読んだ。

支えられ、支えられ、支えられてから、距離が縮まりお付き合いまで至ったらしい。

そんなふうに恋に落ちたのなら幸せかもしれない、きっと幸せなんだろうと思った。

 

彼女の恋のいきさつを読んでいて、以前勤めていた会社の上司のことを思い出した。

私が精神的に壊れているにもかかわらず、私用の携帯から電話をかけてもらっていた。それも1時間くらいは話をしていた。

ある時は、上司のお昼休憩中に話を聞いてもらった。上司はお弁当を食べながら話を聞いてくれた。

立場がなくなるまで私をかばってくれて、退職とともに縁は切れた。

今はどこで何をしているのか分からない。

 

そこまで至れり尽くせり、まるで私専門のカウンセラーのように接してもらって、支えてもらって、そこから恋愛に発展したりはしなかった。

上司は最後まで上司で、私も最後まで部下だった。

 

似たようなことが次の会社でもあった。

次の会社の上司は既婚者だったから、当たり前に恋愛関係にはならなかった。

どちらの会社の上司も、人間として好きだから弱みを見せられたのだと思う。

そこからなにかどうにかなったりはしなかったけど、今でも申し訳なく思うことがある。

 

私が読んだネット記事に出てきた恋のいきさつは、私の経験に少しだけ似ているな、と思った。

人間だから、弱っている時は支えてくれる誰かが現れる。

その相手と恋愛関係になることを、私は悪いとは思わない。

弱っているところに手を差し伸べられて支えられて、相手に好意を抱かないなんて、そっちのほうが難しいのではないかと思う。

私の場合は、会社の上司たちに対しては人間としての好意で収まっただけの話であって、これから先、自分を支えてくれる人といることを恋愛感情で選ぶ可能性は高い。

ただ、私の場合は、相手に対して負い目を感じやすい。

「申し訳ないな」「私ではない人といればいいのにな」と感じて、自分から手を離してしまう。

ここが、先述した人との違いだと思う。

 

彼女の恋のいきさつは、彼女にとってはとても幸せなものなんじゃないかなという感じがした。

自分から手を離すような心の歪みもなく、ずっと手を繋いでいてもらうように努力もできる。

自分の弱いところを知り尽くしている人に全てを委ねられる。

そんなふうに、自分の弱い部分を曝け出しても支え続けてくれる人と一緒にいることを選んだ彼女は、きっと幸せなんだろうと思う。

 

相手に申し訳なく思って、自分の方から支えてくれる人の手を離したりする私みたいな人間よりよほどかわいいし、素直だし、心が綺麗だと思う。

そんなふうに恋に落ちられるのは幸せかもしれないなあ、と思う。

私のように屈折した人間には到底無理だ。

 

今はどこで何をしているのか分からないような人たちのことが頭を過ったけど、もう過去には戻れない。やり直しはできない。

手を離さないでいればよかったと思うこともあるけど、迷惑をかけているのではないかと四六時中不安になり申し訳なくなる私のような人間は、自分から手を離すことで気持ちが楽になった部分もある。

全てを受け止めてくれる人は偉大だけど、ときどきふと「相手にプラスはあるのか」と考えてしまい、人付き合いがうまく進まない私には、彼女の恋のいきさつは、喉から手が出るほど欲しいような「なにか」を感じた。

 

支えてもらうこと、支えられることは、私にとっては負担になりやすいからこそ、私には到底できないことを易々と成し遂げる彼女が羨ましい気持ちもある。

そういう気持ちもある反面、私はどうしても、屈折しているから相手の手を自分から離してしまう。

そういうふうにしか生きられない。

相手の気持ちを考えない身勝手だとはわかっていても、どうしても、お荷物でしかない自分の存在を早く忘れてほしくなる。

私には、彼女のような恋愛はとてもじゃないけれどできないな、と感じた。

 

彼女に対して感じる「なにか」は、彼女の持つ純粋さ、荒波を乗り越える過程で出会った人と恋愛関係になれる素直さ、それに対する羨ましさだと思う。

屈折しきった人間にはとても眩しい。

よく他人から「病気があるのだから尽くすタイプの人だったらうまくいくのではないか」と言われるけれど、とんでもない。

とんでもないことだ。

尽くされることで、支えられることで、どれだけ私が自分を責めるだろうか。

相手の善意が私の罪悪感の材料になる。

とんでもないことだ。

 

こういう人間だからこそ、彼女をとても羨ましく、眩しく感じる。

私も、彼女のように恋に落ちられたら幸せかもしれないな、と思ったけど、心が歪み、屈折しきっているので無理です。