揺れるように

ソロ活動の記録とひとりごと

やったらあかんで

 

 

 

 

社会から断絶された人々が暴動を起こす事件が多くてびっくりする。

 

私も社会から断絶されて生きている1人だけど、正直なところ事件に関しては「気持ちが分からんでもないけど絶対にやってはいけない」と思うことがある。

性格的な問題もあるのではないかと思う。

私の場合は自分を責める性格だから、社会から取り残されている、断絶されているという悲しさや虚しさが自分にだけ向かっていて、刃物を自分に突き立てている状態だ。

これがふとした瞬間に他人に向いてしまうことがあるのだろうか…と思うと、事件を起こした犯人たちはそうだったんだろうなと思う。

普通に幸せな人が妬ましい、許せない、社会が悪い、というのは、心に余裕が全くない人の考え方だと個人的に思う。

余裕がなくなり、行き詰ってしまい暴動を起こす。

私が自分に突き立てている刃物が他人に向かうことを考えてみると、とんでもなく恐ろしい反面、自責が他責に変わるのはほんの少しのきっかけと本人の性格なのかもしれないと思う。

 

現代では、社会からドロップアウトした人が立ち直るシステムがあまりにもなさすぎて、一度ドロップアウトしたら復帰するのにかなりの精神的プレッシャーや世間からの白い目、自分の自信のなさや不安、履歴書の空白と立ち向かわなければならない。

前の仕事での失敗経験を考えて前に進めないというのは、適切な医療を受けることで緩和される部分もあるけど、それを全員が全員受けられるわけではないし、精神科にかからなければならないけどかかっていない人はごまんといる。

加害者を擁護する気はひとつもないけど、私が「障害があるし、働けないのは私の責任なんだよねえ」と思っているところを「自分は悪くない、社会が悪いんだ」という方向に変えて刃物を突き立ててしまう人がいるのだとしたら、私が自分に突き立てている刃物を他人に向ける状態を考えたら、「病気」という理由もなく怒りを向ける矛先がないのだとしたら…と考えると、「気持ちは分からんでもない、けど絶対にやってはいけない」と思ってしまう。

 

老人ホームで介護士として働く人が、認知症のお年寄りから暴力を受けるということがある。

それに対して、「何もできなくなった自分への歯がゆさがあるんでしょうね。まあ、分からんでもないというか」と答えた介護士さんがいた。

それと同じような感じで、「何もできなくなった自分への歯がゆさ」は、私も痛いほど分かる。

ただ、その怒りや虚しさを他人に向けるというのは分からない。

私は今のところ、自分に刃物を突き立て続けている。

 

中高年の引きこもりは若年層よりもずっと多いことが最近発覚した。

その人たちを救う受け皿のようなものが必要だと思う。

まだ若いとされる二十代でも、ドクターストップという適切なブランクを当たり前とされなかった社会復帰を経験した身としては、一度ドロップアウトしただけでどこにも行き場がなくなる今の社会システムが、少しだけ厳しすぎるように感じる。

様々な理由で、生い立ちで、事情で、「働けない人」はこの世にたくさんいる。

こんがらがった糸をほぐすために医療を受けるには、身なりを整え外出してバスや電車で移動し、お金を払わなければならない。

普段誰とも会わず、会話をすることもない無収入の人には、この「適切な医療を受けること」自体が、ハードルが高いことだと思う。

友達がいれば外出する機会がたまにあるだろうけど、私の昔の知り合いで無職の人は、「あなたと会うときくらいしか外に出ない」と言っていたことがあるし、もしかしたら友達がいること自体、稀なのかもしれないと思う。

身なりを整え、散歩をして、自分の身の回りのことをやり、自炊をしたりしながらコツコツ頑張り続ける無職の自分とは対照的な人がたくさんいることも、頑張れるのに頑張らないタイプの人がいることも分かっている。

受け皿がなさすぎる。

一度社会から外れたら、元に戻ったり、レベルを下げて働くのは心身ともにハードルが高い。

それを乗り越えていかなければならないけど、そこのこんがらがった糸はプロに解いてもらう手助けを受けるしかない。

素人にどうにかできる問題ではないし、私がここでこう言っているのも無駄かもしれないけど、とにかく「一回外れたら戻るのがかなり難しい」という今の社会のシステムをどうにか変えて、「一回くらい社会からドロップアウトすることってあるよね、さ、戻ろう」くらいの気軽さでまた仕事を始めることができるようにしないと、こういう事件は後をたたなくなるのではないかと思う。

 

「全て社会が悪い」というのは、自分にも周りの人にも、全てにおいて絶望しきった人から出てくる言葉だと思う。

その崖に立っている人が、崖から落ちたり、他人を引き連れて崖から落ちないように、何らかの取り組みをやっていかないといけないように思う。

崖に立っている人って、意外と多いと思う。

働けない人だけでなく、やりたくない仕事を心身を壊しながら続けている人もそうだけど、「救いがない毎日」というのは、想像以上に心身に堪える。

自分を責めるならまだしも、他人を巻き込むタイプの人がいるという前例ができてしまったのだから、早めに何らかの取り組みを行わなければ、次の被害者を救うことは難しいと思う。

 

話を聞いてもらうだけで気持ちが和らぐとか、気が紛れるとかもあるだろうけど、それはプロのやることだし、素人にどうにかできる問題でもない。

社会も自分も他人も悪くない、絶望に満ちた今を変えるためには少しずつ前を向いていくためにプロから手助けを受けなければならないということが、もっと当たり前になってくれたらいいなと思う。